RIVERDOGS リマスターあれこれ

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さてさて、RIVERDOGSの続きです。

久々に各リマスター盤の音を確認してみましたが、いやあ、こういう聴き比べは楽しいっすねえw

まず資料的な事を書いておくと、Bad Reputation盤(フランス、2004年)は Jean-Yves Legrand というエンジニアが、そしてRock Candy盤(イギリス、2015年)は Andy Pearce というエンジニアがそれぞれリマスタリングしています。なので音が違ってても当然なんですが、何故か本作に関しては「そんなに変わらない」という驚きの結果であります(あくまで個人的な感想ですよ)。

本作は元々 Wally Traugott というエンジニアがマスタリングしているんですが、そのオリジナル盤(1990年)の時点でそこそこ音量ある仕上がりにはなっていたんですね。それと音圧を必要以上にアップすると不自然になりそうな作風でもあるので、リマスターに際しては推察するに、「オリジナルの時点で良い具合のマスタリング処理が施されているんだから、無理して変える必要も無いでしょ」といったプロフェッショナルな判断から、共にクセのない仕上がり(=似た質感)になったのかな?とかね。それにエンジニア各人の「匠の技」的な細やかな処理は施されているんだろうなあ…と妄想しつつ聴くのもまた一興かと。

で、「そんなに変わらない」とは言いつつ、一応の参考までにそれぞれの特徴を記しておくと、

○Bad Reputation盤
・バッキング・ギターのハイ成分辺りを強調した様な印象
・なので一聴した時の音の主張はそこそこ強いが、ちょっと全体のっぺりしてて張り付き気味にも思える

○Rock Candy盤
・ベース辺りの低域が程良く強調され奥行きが感じられる音像。
・立体感あってバランス良い音だが、Bad Reputation盤に比べると少しおとなしいとも言えるので、途中でボリュームを上げたくなるかも

…といった処ですかねえ。まぁ、あくまで「強いて言えば」な域なので、もしブラインド・テストとかやらされた日にゃあ、当てられる自信あんまり無いんですけどねw

あと、Rock Candy盤のリマスターを担当している Andy Pearce という人は数多くの作品のマスタリングを手掛ける有名なエンジニアでして、レコード(アナログ)寄りの質感にまとめる傾向の人だな…と個人的には思ってます(判り易い例だと、FREEの2016年リマスターでしょうかね)。で、私は少し硬めの音が好きなので、たまーに「ちょっと軽過ぎるかなあ…、もう少し中域アップするか全体硬めでも良さそうなのに」とか思う事もあるのですが(苦笑)、まぁ、結局その辺りは各人の好みですからねえ。文句あればEQで微調整しつつ自分好みの音にして聴くのも楽しいですしね。そう考えると、この人が手掛けた作品に柔らかめでナチュナルな仕上がりなのが多いのは、リスナーがお好みEQ処理をし易い状態を想定しての気もするね。

ちなみに本作のリマスター再発に際しては、”On Air”というプロモーション用アルバムも付いているのが嬉しかったねえ。これは1stリリース後のラジオ局プロモーション行脚の際に、各地で披露したアコースティック・ライブを収録した一枚ですね。昔から存在は知ってて、いつか聴いてみたい!と願ってたレア音源なのですが、それが丸々付いて来るとは何と太っ腹なボーナスでしょうか!いやあ、素晴らしいw

この”On Air”のオリジナル盤は1曲目が”Baby Blue”のスタジオ・ヴァージョンで、その後にアコースティック・トラック11曲が並ぶ計12曲収録だった様なのですが、Rock Candy盤では1曲目の”Baby Blue”はカットされてて、アコースティック・トラックの11曲が収録されているね。おそらく「アルバムと同じ音源なので、2回も入れる必要は無いだろ」という判断でしょうかね。一方、Bad Reputation盤はオリジナルCD通りに”Baby Blue”も収録した計12曲入りになってます。各CDのケース裏も撮影してみましたが、更に詳しくはdiscogsとかで確認してみて下さい (CDの並び順は前回と同じです)。ちなみにリマスターによる音の違いは、これまた殆ど無かったですねえw

まぁ、リマスターだからと言って、「何でもかんでもオリジナルより音量を上げなければいけない!」っていうルールは無いし、むしろ必要以上に音量上げてしまって聴き疲れする音に変質してしまうのも残念かつ本末転倒なので、このリマスターでのアプローチは、両方共に私はOKです!

今年も暑い日々がまだ続きそうなので、我が家では本作の出番も続きそうですがwまあ、楽しみましょー。

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